筋肉には、瞬発力にかかわる「速筋」と、持久力にかかわる「遅筋」の2種類があります。この『瞬発力と持久力』、スポーツによってはどちらかが必要だったり、あるいは両方必要だったりしますね。
ここで少し、小~中学生の頃を思い出してみてください。かけっこが得意な子がクラスに1人はいたかと思います。もしくは、あなたが一番速かったかもしれません。
実は、人間はこの速筋と遅筋のどちらが育ちやすいか、あるいはバランス良く育つかが「遺伝子」によってある程度決まっています。かけっこが得意な子は、生まれつき速筋のほうが発達しやすい性質にあるのです。
本記事では、そうした「遺伝子」による筋肉のつきやすさについて解説し、同時に、これらを調べることができる「遺伝子検査」についてもご紹介していきます。
どこがトレーニングによって伸びやすいか、どんなスポーツが向いているか、遺伝子検査によってそれらを明らかにすることができます。
スポーツ遺伝子検査とは?
スポーツ遺伝子検査とは、民間企業が提供する「遺伝子検査キット」を用いて、スポーツ分野にかかわる遺伝子を検査する技術のことです。
遺伝子検査は、近年盛んに研究が行われている遺伝子学を、一般向けにキットとして提供するものです。キットを用いて検体を採取、検査機関に送ることで、検体に含まれる白血球をはじめとする細胞群から遺伝子情報を取り出し、数多の遺伝子グループと照らし合わせることで解析することができます。
冒頭で述べた「筋肉のつきやすさ」ですが、実はこの遺伝子検査によってわかることはそれだけではありません。以下で説明していきましょう。
遺伝子検査でわかる「筋肉のつきやすさ」
では、遺伝子検査によってわかる「遅筋」「速筋」が、どのようにして解明されるのかを紹介します。
ACTN3遺伝子で解明する「速筋」「遅筋」の成長センス
速筋(白筋)と遅筋(赤筋)の育ちやすさは、ACTN3遺伝子と呼ばれる遺伝子情報によって決定づけられます。ACTN遺伝子は、別名筋肉タイプとも呼ばれており、以下の3つのタイプに分類されます。
速筋(白筋)型(R/R)
R/R型は、速筋繊維の割合が高い筋肉タイプです。筋肉の瞬発力が高く、短距離走やウェイトリフティング、武術などに適性があります。速筋は身体の外側につく筋肉のため、男性の場合は筋肥大が容易なのも特徴です。
両筋バランス型(R/X)
R/X型は、速筋と遅筋の両方がバランス良く成長していくタイプです。筋肥大の程度は平均的で、瞬発力と持久力が同時に要求される野球やサッカーなどに適性があります。
遅筋(赤筋)型(X/X)
X/X型は、遅筋繊維の割合が高い傾向にあります。持久力が高く、長距離走や登山、水泳など、高い瞬発力が要求されないスポーツに適性があります。速筋が育ちにくいため、男性の場合は筋肥大しにくいという特徴があります。
筋肉の付き方がわかれば、スポーツの向き不向きもわかる
このように、スポーツというものは、持久力と瞬発力のどちらが優れているかで、ある程度向き不向きがわかるものです。筋肉の付きやすさを知れば、今やっているスポーツが自分に向いているか、筋トレが合っているかなども自ずと見えてくるでしょう。
瞬発力を司る「ACE遺伝子」、持久力を司る「PPARGC1A遺伝子」
また、ACTN3遺伝子の他にも、スポーツにかかわる遺伝子は数多くあります。
ACE遺伝子
ACEタンパク質と呼ばれる、血管の収縮程度にかかわる遺伝子です。これは、血液を送り込む程度がどの程度か、つまり「疲労を感じにくい」か、「疲労を感じやすいが瞬発力が出せるか」ということに直結しています。
PPARGC1A遺伝子
ミトコンドリアの合成、つまりエネルギーの生産スピードが高いかどうかにかかわる遺伝子です。エネルギーの生産効率がよいと、運動強度を高めても持久力が落ちにくいため、結果としてトレーニング効率がよいということに繋がります。
さて、ここまでスポーツにかかわる遺伝子を解説してきましたが、肝心な「どうやって遺伝子を検査するのか」については触れてきませんでしたので、以下で解説していきます。
「ハーセリーズ DNA EXERCISE」で気になる遺伝子を検査
上記の3つの遺伝子を検査するのにオススメな遺伝子検査キットは、「ハーセリーズ DNA EXERCISE」です。価格は7,000円(税抜)と、リーズナブルなお値段なのが魅力。
ハーセリーズ・インターナショナルは、他にも「ダイエット向き遺伝子検査」や「アルコール耐性遺伝子検査」などのキットを提供していますが、こちらはスポーツに特化した遺伝子検査キットとなります。
それでは、検査方法についてみていきましょう。
検査は自宅で手軽に行える
検査は以下の4つのステップで完了します。トレーニングを休む必要がないくらいお手軽な流れなので安心。
- 検査キットを申し込む
- 郵送されてきたキットを使い、口腔粘膜を採取
- 申込書を記入し、検体と申込書を返送する
- 2~3週間後、結果レポートが郵送
他の遺伝子検査キットもそうですが、唾液や口腔粘膜などに付着している白血球を使って遺伝子を解析できるので、基本的に採血などは必要ありません。注射が苦手な人にもおすすめの検査です。
まとめ:遺伝子検査の結果をスポーツや筋トレに活かそう
遺伝子検査の結果レポートには、スポーツの向き不向き、トレーニングの傾向と、解析結果からどのようなメニューを組んでいくかのアドバイスが記載されています。
筋トレしても筋肉が育たない、自分に向いているスポーツがしりたい、など、身体を動かす人々の幅広いニーズに答えてくれる製品だと思います。ぜひ、興味がある方は一度受けてみてはいかがでしょうか。
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